「関西遠征」 200008

7月21日

AM2:00 携帯の音で目がさめると堺のブラシ職人Tomeさんからであった。
Tome:「今、どこにおるん?」
國:「え?郵便局の前やけど・・・・」
前方を見ると電話しているTomeさんがいる。(笑)
車から出て行くともう一人・・・
東播の漆職人オリザラさんが出てきた。道楽のキャップに赤いアロハ。
なんとなく釣りのスタイルのわかる人である。取り敢えず握手をしてちょい
会話する。話してみると好青年という感じ。車には“Heppon”のステッカー。かっこいい。
「取り敢えず現地に行って仮眠でもしますか?」ってな感じでそそくさと現地に向かう。

車3台連なって堺方面へ。堺・岸和田方面は地図で見るとほんとに羨ましい位沢山の野池がある。
が、以前Tomeさんとエグった時、殆どが釣り禁止またはタダの全面護岸皿池であることが判明。

そうそうパラダイスは無いものである。
今回はその中でも数少ない浮輪に適している野池に案内してもらう。
そうこうしているうちになんとか野池に到着。さっそく堰堤を登り、湖面を見ると
真っ暗でよくわからないが(4時前くらいだと思う)奥が深く、楽しめそう!
流れ出しのところでなにかがバフッ!と跳ねた。3人とも「あれはバスの歓迎だ」と勝手に解釈し、そそくさと準備開始。
関東と比べるとやはり関西は夜明けがゆっくりである。朝マズメねらいでもすこし長く寝ることができる。

4時半ごろエントリー。Tomeさんオリザラさんは気を使って先に行かせてくれた。ありがとう!
この時間はまだ真っ暗なのでナイト仕様である。
今回はナイト用のルアーをいろいろ持ってきたのでナイトも楽しい。
しかし先に行くのは良いが、キャストがへたなのですぐストラクチャに引っ掛けて
しまい、ポイントを潰してしてしまった。やはりうまい人が先に行くべきだった。
ナイト用のマスキージタバグを放り続ける。ちょんちょんとアクションをさせ、
ポーズの後おもむろに引く。
バカポコバカポコシャリシャリ・・・・・
ダルトンツイストみたいにテールに大きいペラを装着している。アホっぽくて良い感じ。

しかしバイトが無い。比較的大きいワンドに入っていった。
この時点では夜も明け、ゴールデンタイムである。ワンドの奥、一番
ややこしいところに最近手に入れた渓'sのW-Waveを放り込む。
 
ピンスポでアクションをさせてしばしポーズ。良いルアーである。おいしそう。
その時水面が炸裂した。
“バシュッ”
激しく飛沫をあげるナイスバイト!
「おぉ〜!!出た出た!やっぱいたんや〜!」
一人で感動しながらランディング。しかしなぜか引きが弱い・・・
案の定子バスである。しかし見てくれ!こいつ子バスのくせに良い体格してる。

 


なるほどあれだけ元気の良いバイトするだけのことはある。最近このサイズの
バスばかり釣っている気がするが、なかなか派手で面白い。
昔ゴム使って釣ってたころに釣った子バスはもっとやる気無く“のそー”とあがって
きた気がする。やはり子バスでもトップに、しかも比較的大きいプラグに出るやつ
は無謀というか、すごくはじけてる。
喜んでTomeさんに冷静を装いつつ報告。デジカメで写真をとりリリース。
そして一服。今までバイトも無かっただけに至福の瞬間である。
その後、池の一番奥まで攻めるもののノーバイト。Tomeさんは反対側を攻めつづけてきたが、

バイトはあるものの獲れないらしい。

オリザラさんは夜が明ける直前に大バックラッシュしたみたいで一回上陸して
リール分解してたらしい。ダイレクトは糸を噛み込むとどうにもならないのだ。
國:「なんかしょぼいねぇ」
Tome:「ネクストいきまひょか?」
國:「そうしまひょ」

というわけで簡単に折り返しながら戻ることにする。オリザラさんはまだあまりやってないが、戻ることを伝える。
そこでオリザラさんのボックス拝見。水上ルアー品評会が開催される。
「うひゃーきれー!!」
オリザラさんの作る漆ルアーはほんとに美しい。使うのがもったいなく感じられるほどの芸術品(工芸品)である。
ところが投げてもびっくり。アクションがまた良い。是非発売して欲しいが、なんせ時間をかけて作るので販売は無理らしい。

というわけで次の野池へ・・・
 
早速入水準備。このころになると暑さがジリジリと感じられる。セミの声も手伝って、完全にやる気喪失である。
3人で浮くにはちょい小さめだが取り敢えず浮いてみることに。が、なんてこった!
バイトがすごい!オーバーハングの下に放り込むとすぐに反応がある!

そそ!かえるくんである。かえるの活性が異常に高いのである。

かといって沖めでポーズすると今度は亀がつついてる!
國:「カエルの活性たかいねぇ!」
Tome:「そやねぇ!亀もバイトしてくるでぇ」
國:「オリザラさんどうですか?」
オリ:「一番奥のストラクチャにすごくやる気満々のヤツがいますよ」
國:「ほんとっすか!」(すかさず奥まで全速力で近づく)
オリ:「ええ・・カエルですが・・・」
國:「・・・・・・・・」

 


もうだめである。完全にやる気喪失と脱水症状である。それにしてもオリザラさん
ネオプレンは暑いでしょ?(笑)
というわけで取り敢えず休憩の為“マクド”へ。

ひとしきり涼んだのでそろそろ次の池にいこうということになり、移動。

ここは実はTomeさんのホーム?で、俺も行くのは
3度目だが、まだ釣ってない。今日こそはリベンジである。
2mほど減水しているがストラクチャはそこそこにある。それに結構な広さがあるので、

夕マズメまで遊ぶには丁度良いだろう。
Tome:「減水してるね」
オリ:「いつもはもっといっぱいあるんですか?」
國:「2mくらい上まであったよね」
Tome:「夏に水抜くぞゆうてたんはホンマやったんやね」
國:「減水すると魚がかたまって爆釣するかもよ」(無責任に釣れることだけを想像させるのであった)

ここでは我先してしまった。みなさんすいません。まだまだ日が高く、結構辛い展開
である。が、うめさんの例を思い出しやる気を持続させる。
ところが一向にバイトが無い・・・・嫌な予感。
40弱のバスがチェイスしてきたが食わない。
オリザラさんもクローラーを放っていた。ピンスポねちねちはどうも良くないのか?
Tomeさんはというと1箇所でねちねちやっているようだ。どうやらバイトがあった
のか?と思い、近づいてみると・・・・・・・・この人木陰で寝ている。(笑)
どうやらTomeさんもバイト無いらしい。

俺とオリザラさんはなんとか一周まわり、やはり反応無く終わった。
リベンジならず!(あ、オリザラさんはギル釣ったそうだ)
ま、こんなもんでしょ。と自分を納得させつつオリザラさんと上陸。明日は池原だ!
と早速前向きに考えるポジティブな俺である。(笑)
國:「池原ではこんなん投げたいと思てるんです」
(といってチョイスしてきたデカプラグを見せる)
オリ:「それ、池原では人に見られんほうがいいですよ。ヒンシュクです。」
國:「・・・・・・・・・」

とか片付けながら話していたがTomeさんの姿が見えない。
國:「まだ寝てるんかな?」
オリ:「いよいよ帰ってこんかったらクラクションでも鳴らしましょか?」
時間はそろそろ夕マズメ。俺達は暑さと無反応にまいってそそくさとマズメ前に上陸したのである。
片付けもひとしきり終わり、浮輪を乾かしていると湖面でボイル・・
國:「食ってますね」
オリ:「今からが良かったりして・・・・」
今から浮輪を出す気力はなかった。しょうがないのであきらめ悪くおかっぱりしてみた。
國:「これで釣れたらなんか悲しいね」
オリ:「浮輪出す必要無かったかも」
といいつつセミを投げてみると案外反応が良いのである。バイトしては来ないが
良いサイズが追ってくる。しまった!昼寝して今から出ればよかったよ。

しばらくおかっぱり兼アホルアースイミングテストしてみる。
オリ:「なんですかこのルアー。なんでこんなとこにフックついてんですかね?」
國:「これいいでしょ!良い動きしますよ」(キャストしてアクションさせる)
オリ:「・・・・・・・・・明日は投げんほうがええですよ」

そうこうしてるうちにTomeさんが見えた。どうやらワンドの中で本気モードだったらしい。
上陸して聞くと、バイトがあったので急にスイッチ入ったらしい。そんなもんである。
寝てて正解。
が、残念ながらキャッチできず終了。今日はこれで帰ることにした。

 


カヌーを取りにTomeさんちへ戻り、奥様からアイスコーヒーをごちそうになる。
その後、今度は東播でリベンジしましょう!ということになり解散。
俺はジーンズのほかに着替えがなく、金も無かったので、Tomeさんに無理言って
銀行と服屋さんへ連れてってもらうことにした。
買い物を済ませTomeさんちに戻ると豪華な食事でもてなされ、おいしいビールを
頂いた。風呂も頂き、本日はそのまま就寝。


7月22日

昨日就寝してから二時間後くらいにTomeさんに起こされる。
昨日も一時間くらいしか寝てないのでちょい辛いが、夢の池原ということもあり飛び起きて準備。
今日はTomeさん号で行くことにする。
行きがけのコンビニでは眠気覚ましに“カフェイン”を購入。それとリゲインの
ちょっといいやつを購入し70アップのフロリダとの格闘に備える。
準備過剰である。(笑)
Tomeさんちを出て3時間。池原ダム付近にきた。なんとボートを積んだ車の
多いこと。夜中の山道なのにこんなに車が多いとは・・・・
でもすごく深い山の中である。明るければ壮大な自然が見えるであろう。
現に道端で鹿を目撃した。すごい!いくら房総野池をえぐってても鹿はいない。
國:「Tomeさん!今!鹿がおった!鹿ばい!」(興奮して博多弁である)
Tome:「へぇ・・」
國:「すごいやん!ここ!鹿がおると?ツノ生えとったばい!またグリップ作る?」
Tome:「ふふ・・」
どうやらTomeさん鹿は見慣れているようである。
猿やイタチ、リスくらいなら目撃したことがあるが、鹿はすご過ぎである。
 
道中いろんな話をする。ルアーメイキングの裏話や子供の頃の釣り話。
四国遠征の話。やはり釣りの話が中心になる。
そうこうしているうちに池原のエントリーできそうな場所に着く。しかしまだ
暗いし、状況がわからないので明るくなるのを待って仮眠する。

一時間くらい経っただろうか。すでに明るくなっていたのでエントリーポイントを探す。


目の前に広がる大パノラマ。スゴイ!感動である。
しかし、5mくらい減水してるらしく、また切り立った崖でエントリーポイントが
見つからない。もちろんボートのスロープはあるのだが、駐車場がいっぱいで
なおかつ金も取られるらしい。Tomeさんの古いマップ(15年まえのAngling!)
を頼りに流れ込みをさかのぼる。丁度うまい具合に工事用道路が流れ込みにあり、そこからエントリー。

 



枯れかけた細い流れ込みはしかし非常に美しく、薄いブルーの水を湖に注いでいた。
その中に40弱くらいのバスを発見。
美しい。バスがこんなに美しいとは・・・なんか作り物のように感じてしまった。
俺のホームの鹿島川バスなんてここに入れたら水がきれい過ぎて死ぬかも・・
いつも見ている鹿島バスは口の周りはぼろぼろになり、体には原因不明のぶつぶつ
が出来ていたり、ヒレはぼろぼろだし、先日釣ったやつなんか片目潰れていた。
大物が釣れても痛々しく、なんか複雑な気分にさせられることがしばしばある。



俺とTomeさんは早速準備を整え、入水した。透明度がすごい!2mくらい下の湖底が
はっきり見える。偏光グラスをしているからなおさら丸見えである。
モリでももっていれば下にいる錦鯉を突くことも出来そうである。(笑)
まるで沖縄の海のような透明度の中、ぷかぷか浮いていると空中を遊泳しているかの
ような錯覚を受ける。ここの水なら顔を洗うのも躊躇しない。
しばし幸せ気分に浸る。
さて、釣りでもするか・・・・とやけに余裕かましてルアーを結ぶ。
いつもの野池なら入水後すぐキャストし始めるものだが、ここは見渡す限り透明
(つまりキャスト出来る範囲内に魚の影が無い)で、投げるのも一投一投を大事にしたくなる。
リザーバーということを意識して、今日のタックルはいつものダイレクト&ショート
ロッド&PEではなくABU5500&5ftグラス&ナイロン(しかもストレーンの黄色
(笑))である。いつもの野池ではせいぜい10m前後しかキャストしないので、
ロングキャスト出来るか不安があった。
しかしたまにABUを使うとほんとに使いやすい。決してダイレクトが使いづらい
わけではないが、これはほんとにストレス無くキャストすることができる。
ロッドの弾力を使ってゆっくりキャストすると、簡単に今までの倍くらい飛んで行く。
何度か投げるうちロングキャストで狙ったピンスポットに決まることが(たまに)
ある。快感である。
房総にも野池で超ロングキャストしている人がいる。
ボートからキャストしているが、ロングキャスト過ぎて、背中にはすぐ対岸の
オーバーハングがあったりする。こうなるとロングキャストでピンスポに入れることの
方が楽しくて、釣果はどうでも良くなるのだそうだ。(笑)
う〜んすこしわかる気がする。キャスト後のアクションも面白い。ロングキャスト
すると特にペンシルが面白い。誰かが言っていたが、ルアーの本当の性能は
ロングキャストしてアクションしたときにわかるのだそうだ。
確かに20m離れてアクションさせてもちゃんと動くルアーは優秀だと思う。
アクションのつけかたも、いつものようにロッドを寝かせてはじくようにアクション
させるのではなく、ロッドを立ててラインの緩急だけで動かしてみる。
いかにもリザーバー的な(俺が思うに)釣りをやってみた。コツを掴めばそれなりに
柔らかいアクションをする。一投一投をじっくりやる。
決してマシンガンキャストとかではなく。大事に大事にアクションさせる。
いかにも釣れそうなアクションである。以前みた羽鳥静夫さんのビデオを思い出す。
ここで良い感じに“ガボォォ”と出てくればビデオそのままであるが・・・・・・
現実はそうはいかない。(笑)

しかし周りを眺めるとアルミボートはもちろんだが、意外に浮輪が多いことに気付く。
それも似たような浮輪が多い。ポンツーン型というのかH型というのか、皆一様に
ソナーを備え、背中のシート後部には買い物カゴみたいなものにロッドが5〜6本
セットしてある。関西流なのか?
あの手この手を駆使してフロリダを狙っているのだろう。しかし広いのでいくら他に
浮輪がいてもあまり気にならない。
気になるのはボートの引き波くらいだ。水辺は引き波で濁っている。浮輪の横を通
る時、ボートは減速してくれる。しかし、逆にプレーニングして行く方が引き波は小
さいのである。減速してくれるのが良いのか悪いのか?
二時間ほど遊んだが、バイトがない。確かにスレて難しいことは覚悟していたが、
これほど反応が無いとは・・・
周りの人達も釣れていないようである。皆、口をそろえて釣れないと言っている。
対岸(といってもかなり遠くなのだが)にTomeさんがいる。
國:「どーですかー?」
Tome:「異常なーし!」
Tomeさんに近づいてみる。さすがリザーバーの釣りには慣れてる。ロングキャストを
ピンスポットにビシっと決め、アクション。板についている。
しかもバイトがあったらしい。さすがクイーンマリー。

どうやらノー感じだし、そろそろ日も高くなってきたので一旦上陸することに。
しかしここに来て帰路が遠いこと・・・・
こんなところまで漕いできたのかと後悔することしきりである。やはりリザーバー
にはエレキが必須かも。
なんとかエントリーポイントまで戻り、ふと流れ込みの小さな沢を覗くと良型のバス
が5,6匹泳いでいる。
國:「あんだけぐるぐる回ったけど、ここが一番魚影濃いね」
Tome:「餌が流れてくるの待ってるんやろか?」
試しにルアーを放って見るが案の定無反応。かなりすれてるに違いない。見えバスに
騙されると無駄な時間を費やすことになる。そっとしておこう。

車に戻り、取り敢えず飯でも食うかということになる。池原ダムのダムサイトにある
ドライブイン。一階は発電所のテーマパーク?というか電力のしくみみたいなものを展示している。
店に入ると暇そうに雑談していた女の子が急に我にかえり注文を取りに来る。
おしぼりが冷たくて気持ち良い。最近は店によっては紙のおしぼりを出すところも多
いが、俺は布のおしぼりがいい。あんな紙のおしぼりでは顔なんかふけやしない。
ちょっと前はおしぼりで顔を拭くのがおやじ臭いと思って控えたこともあったが、
今は気にせずがんがん拭く。顔、耳、首筋、腕を冷たいおしぼりでふきまくり清涼感
を味わう。(やはりおやじである)さすがにワキまでは拭かないが・・・・・(笑)
さて、何にしようかとメニューを見て一目でこれにしようと決めた。
“ブラックバス定食”
そのまんまである。今までバスを食ったことは無かった。ま、そんな店にも
行かなかったし、バスはどうしても食う対象には思えなかった。

しかし食ってみるとなんのことはない普通の白身のフライであった。

おそらくこの店のオバちゃんが朝からビシバシ釣ってきたのだろう。(笑)
バス釣りをしない人からは必ず“食えもしない魚釣って何が楽しいんだ?”と聞かれ
る。“食う為に釣りしてる訳じゃないすから”と適当に答えているが、食ってみて
さすがに“食いたくて釣る魚でもないな”と思った。
決してまずいわけではないが、やはりなんとなく川魚はどうも苦手である。
池原のバスは釣れなかったけど、俺の胃の中には納まってくれたわけだ。
なんとなく満足。

ここでせっかくだから七色ダムにも行ってみようということになる。
七色のエントリーポイントは以前Tomeさんがカヌーを下ろしたことがあるそうなので
そこへ行ってみる。
國:「七色も減水してんのかな?」
Tome:「つながってるから一緒かもしれへんな」
Tome:「でも、七色は池原と違って立木やオーバーハングがあって面白いで」
國:「フロリダもいるんかな?」
Tome:「さぁ・・・つながってるから、いるんやないの?」

七色に向かうと予想に反して満水状態である。立ち木はほとんど冠水している。
深々と水を湛え、池原よりは緑がかった俺の知ってるリザーバーらしい色を
している。良く見るとオーバーハング、立ち木が豊富で、攻めがいのあるポイントが
多い。どちらかというとこちらの方が好きである。


ダムの周りを一周して目的のエントリーポイントへ着く。しかし暑い!午前中は
ほんとに涼しく汗一つかかなかったが、さすがに昼をまわると日差しがきつい。
木陰に車を止め、しばし昼寝タイム。
俺は車中泊が得意ではない。なんか落ちつかなくてあんまり眠れないのだ。
にもかかわらず、運転しているときは異常に眠たくなる。そのくせ観念して
車を止め、シートを倒すとなんか気になって眠れない。
このときも一生懸命寝ようとしていたが(ほんとは寝てると思うが)なんか意識は残っていた。
いよいよ、釣りがしたくなり、寝てるTomeさんをおいて車を出る。木陰に止めて
いたはずが、Tomeさんはしっかり太陽の光を全身に浴びている。(笑)



時間は3時半くらいか?俺は一人で入水した。すんごい贅沢なストラクチャの群れ。
いかにも出そうなポイントだらけで、ついつい長居しそうになる。
が、ここはリザーバー。テンポ良くサクサク行こう!
しかし広い!ここを一周するには2,3日かかりそうである。
“バシュッ”
デカダンにバイト!久しぶりのバイトに急にテンションが上がる。
「反応いいやんか!」
ということでしばらくデカダン投げまくる。立ち木の奥へ放ってアクション。
“ボシュッ”
「おぉ〜!!」
七色初バスは20前後の子バスである。やはり子バスに反応がいい。
そうなると今度はデカイのが欲しくなり、ねちねち系のルアーへチェンジ。
昨日子バスを連れてきてくれた渓’sのW-Waveを立ち木の奥へ放る。
着水後ちょっとポーズさせ、おもむろに“ジュルッ”とアクション。
少しポーズさせ、再び“ジュルッ”とターンしたときである。
“ブァッシャーン”
すご派手なバイト。また子バスか?と一瞬思ったが、ぐいぐい引っ張る。
「お〜よう引く!これは良いサイズでは?」
ロッドがぐいぐい絞り込まれる。しかしここは立ち木の林。ナイロンなので巻かれた
らヤバイ!ちょい強引に引きずり出そうとした時だ
“バッシャバッシャ”
バスが派手なジャンプを見せる!デカイ!体長は40くらいか?でも顔がデカイ!
久しぶりの40アップに喜びもひとしお。
と、そのとき、急にラインのテンションがなくなった・・・・・
「・・・・・・あれ?」
W-Waveは何事も無かったかのように立ち木の横にゆっくり浮いてきた。
ガーン!!!
関西ではじめての40アップだったのに・・・・バラしてしまった・・・・・・
ショック!!

フッキングが甘かったのだろう。普段はPEを使ってるが、今日はナイロンである。
ナイロンの伸びを考え、もっと強くフッキングしなきゃいけなかったのだろう。
「・・・・・・・・ふぅ〜」
ま、デカイやつが出てくれただけでも収穫ありである。楽しかったと思いましょう。
しばし一服。
落ちついて、しばらくW-Waveを投げたおすが、なかなか良い感じに反応がない。
デカダンを投げると子バスは反応してくれるようだ。


やはりデカバスが欲しい。その後はデカダンで子バスを何度かかけるが手元で
バラシ。なんか子バスだとわかった時点でもうバレてもいいや。と思うように
なっていた。(子バスでも嬉しいんだけどね)



ワンドだと思って入った場所は実は恐ろしく奥が深く、途中で引き返すことに・・
そういえばTomeさんどうしたかな?
はるか遠くに浮輪らしき影がある。Tomeさんだ。夕方になり活性も良くなった
みたいで、Tomeさんもバイトがけっこうあるらしい。しかし子バスが多いとのこと。
この時間になるとボートもいなくなり、広い七色が貸し切り状態である。気分が良い。
そうこうするうちにあたりが暗くなってきた。ま、Tomeさんも引き返してくるだろう
と、戻りながらキャストしていたが、Tomeさん意外と頑張ってる。
結局二本くらい上げたそうだ。
真っ暗になってからナイト用のライトまで出して、今度はマスジを投げたおすが、
反応無く終了。Tomeさんお疲れ様でした。


7月23日

昨日の池原からTomeさんちにもどり、レンタカーに道具を積んで関西遠征最後の
目的“NightBow'S軍団とナイト浮輪”に向かう。
もちろん睡眠はとらない。(これで3日で5時間くらいしか寝てないな)
へ?まだ続くん・・・。
堺を出発してすぐミッドナイトさんに連絡を入れる。
ここで重大な事実に気付く。
唯一の連絡手段、携帯の電池があとわずか・・・・これが使えないと彼らと
ランデブーできない!ヤバイ!!
という訳で、コンビニに緊急充電器を買いに走る。今は、色んな種類があるものだ。
電池式の繰り返し使えるやつ。使い捨てのヤツ。シガーソケットから充電するヤツ。
シガーソケットから充電するタイプを買い、早速充電。ほっとする。
ついでに昨日も購入した“カフェイン飲料”を二本一気飲みする。それとリゲインのちょい良いヤツも。
しかし、このカフェイン飲料、成分を良く見るとコーヒー二杯分のカフェインしか入ってないらしい。
「はぁ?そんなんで効くの?気休めかぁ?」
ま、そんなもんでしょ。
気休めを信じて一路東播へ中国自動車道をひた走る・・・・・
眠気防止に“タイムレンジャーのテーマ”を大声で歌いながら・・・・・・
待ち合わせのパーキングには一時間ほどで到着。案外早いもんだ。
パーキングについてすぐTelを入れると怪しげな集団が目に入る。
“NightBow'S軍団”である。ミッドナイトさん、スワンさん、キャプテン経吉さんデストロイヤーさん。
一目会っただけでそれぞれのキャラクターの濃さがにじみ出ている。
簡単に挨拶を交わし、目的の野池へ・・
池に到着し、準備開始。さっそくミッドナイトさん飛ばしている。酒屋さんらしい
のだが、いつもこんなに酔っ払ってるのだろうか?(笑)
ミッド:「リーマンさんはライジャケ着けるんですか?」
國:「えぇもちろん」
ミッド:「足ヒレもつけるんですか?」
國:「はぁ・・・・・もちろん」
この人いつもどうやって浮いてるのだろう。(笑)

スワン:「こいつアホやから相手にせんほうがええですよ」
國:「はぁ・・・・」
早速NightBow'Sパワーに圧倒される。

スワン:「リーマンさん浮輪膨らましましょか?」
國:「あ、いや、ポンプ持参してますから」
スワン:「このほうが早いですよ!」
車から出してきたのはどでかい緑色の炭酸ガスボンベ。どうみても業務用。
この人達いつもこんなもん野池に持ち込んでんのか?(爆)
といいつつもどうやんのか興味あり、ガス注入してもらうことに・・・・
“ブシュッ”
一気に膨らむ。まるでエアバックである。すげぇ!!
バルブにはほんのり氷が着いていた。(笑)
キャプテン:「今度はヘリウムガス注入したらどや?」
デス:「そしたら浮輪ごとふわふわ浮きますなぁ!」
國:「・・・・・・」
早速入水する。生ぬるい水である。真っ暗なので池の全貌は不明だが
ほぼオーバーハングに囲まれた楽しげな野池である。
堰堤ではミッドナイトさんがなんかブツブツ言っている。どうやら足元が
ふらついてうまくエントリーできないらしい。(死ぬぞ!(笑))

早速ナイト使用のデカダン、マスジを投げたおす。
う〜ん反応が無い。スタートが2時くらいになり、時間が良くないのか?
(みなさんすいません)
そうこうしているうちに池の最奥部まできた。みんなこのあたりでぐちゃぐちゃ話している。
どうやら釣りより他人のキャストしたルアーを釣ることに専念されてるようだ。
あちこちで「ウォリャー」とか雄叫びが聞こえる。
それにしてもこの人達と釣りしてると笑いが絶えない。いや耐えられない。(笑)

そのとき適当に放ったデカダンに“ボコン”とバイト。30前後のようだ。
しか〜し手元でバラシ。おっかしぃなぁ・・・バラシ病か?
その池ではそれきりなんも無し。他の人は釣ったのか?釣りしてたのか不明。(笑)

夜が明けそうになるので急いで移動。すぐ近くの野池であるが、最近50アップが
ちょこちょこ釣れてるという野池だ。
しか〜し、先行者があり、断念。違う池にいくことに・・・・

次の池は「はぁ?」と気が抜けるほどしょぼい池。
池の半分以上はおかっぱり可能な皿池である。ま、この方たちの案内なら
なんかあるのだろうと期待して入水。
うげっ!水がすげぇ汚い!まるで青汁のなかに浮いてるような状況である。(笑)
しかも水面には無数の泡がずっと消えないで残っている。すごい水質だ。
目に付くのは奥の立ち木群で、他は護岸されねらいどころも少なそう。
取り敢えず池を突っ切っていきなり立ち木を攻める。
と、そのとき、遠くでスワンさんの雄叫びが・・・
スワン:「おぉ〜つれた〜」
そこそこのサイズが上がったらしい。しかもヒットルアーはスワン氏自作の
“MANQ'-O”である。マン○ーと呼ぶらしい。(爆)
ミッドナイト氏がマンボーで良い釣りをしているのを見て、本物は高くて
手に入らない?(笑)ので自作したという。
水質とはうらはらにそこそこ活性は良いようだ。
その直後にまたもやスワン氏が雄叫びを・・・・・・・・・・
スワン:「うぉー!でかい!」

 


げげ!今度はほんとにデカイ!50アップありそうである。それもな〜んもない
池のど真ん中でアクションさせて釣ったと言う。恐るべしスワン氏。
俺のデジカメで写真とってリリース。
俄然俺の活性も上がる。立ち木群に戻り、ガンガン投げる。デカダンをオーバー
ハングの下に放ったとき、“バシュッ!”と派手なバイト!しかし乗らない・・
くぅ〜残念!案内してくれた皆さんの為にもそろそろ釣らなきゃ!
と思ってもなかなか乗ってくれない。そこそこにバイトはあるものの乗らない。
もう立ち木はあきらめ、護岸沿いをデカダンで流す。ほんとになんもないところ
でバイト!今度は乗った!30ちょいくらいだが、なんとか獲れそうだ。
余裕かまして浮輪の周りで遊ばせてると・・・ジャンプ一発バラシ・・
今日も良いとこなしである。
まだ、時間はあったがそそくさと上陸することに。スワン氏も上陸してきたので
タックル拝見である。この人ほんと面白いものを作っている。
発想が面白い。ポッパーにリップと尻尾着けてアライ君に対抗したものや、
ポップXをそのままデカくした“ジャイアントポップ-X”。(笑)これが結構良い
動きをする。俺のどデカダンスといい勝負かも知れない。(笑)
そして極めつけが本日50アップをもたらした“Manq’-O”だ。(爆)
計算されたシェイプとは言いがたいが、なんとも味のあるルアーである。
目が手書きでウィンクしてるところなんかたまらなくツボに入る。(爆)
今後もこのインチキ路線は外して欲しくないものである。(笑)

お互いのタックルをみせっこして雑談してるとデストロイヤー氏やキャプテン氏は
ちゃっかり釣っているようである。そうしてるとミッドナイト氏がなにやら暴れている。

どうやら栗の木にフッキングした模様。
雄叫びと共にロッドをガンガンあおると“ビシッ”といういやな音が・・・・
哀れミッドナイト氏の愛竿はグリップとブランクがセパレートされてしまった。(笑)
・・・・・あらら。
氏はPEを愛用しており、どんなところに引っ掛けても回収できるようにしていた
が、ロッドが折れるとは・・・・限度を知らない人である。(爆)
この人のスゴイのはこれでも釣りを止めなかったこと。
なんとルアー手投げである。(激爆)
しかもバイトあったとのこと!それで釣ってもらいたかった!(核爆)

しばらくしてさすがのミッドナイト氏もあきらめたのか、上陸してきた。
と思ったら、スワン氏のロッドを貸せと言っている。不屈の精神とはこのことだろう。
今度は丘から大遠投!!まさにミッドナイト大遠投である。
以前、氏は大遠投を求めるがあまり、キャストコントロールのノブを緩めすぎ、
挙句の果てに水中にノブをぽちゃんと落としてしまうという経歴も持っている。(爆)
こういった数々の逸話をもつ皆さんであるが、ほんとはまじめに釣りをする方たち
であることを誤解の無いよう最後に言っておきたい。(爆)
NightBow'Sの皆さんくれぐれも警察沙汰にはならないように!(笑)

というわけで、さすがの俺も疲れ果て、皆さんと簡単に挨拶して解散。
帰ろうか・・・・とも思ったが、どうも50アップが気になる。(笑)
房総代表として、関西遠征したのに50アップの土産話でもなけりゃ追放である。
ということで、一度断念した50アップ池へ・・・・

ま、ここでのことは書くことはなにもない。ただ、ジリジリと日差しが強く、やけに
セミの声がうるさかったことだけを覚えている。

気がつくと俺は梅田のサウナで生ビールをあおっていた。
また、こんどこそリベンジに行きたいものである。

渓さん!来年のハンフェスオフ会は池原&七色合宿で決まりだそうですよ!







 

 

 

 

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